鳥山石燕の妖怪画はどこから読む?『画図百鬼夜行全画集』の開き方

鳥山石燕の妖怪画はどこから読む?『画図百鬼夜行全画集』の開き方

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妖怪の名前を検索すると、最初に出るのは今のイラストやキャラクター。そこから『昔の絵では、どう描かれたんだろう』と気になったら、旅先を増やす前に一冊を開く方法があります。

鳥山石燕の『画図百鬼夜行全画集』は、KADOKAWAの案内によると『画図百鬼夜行』から『百器徒然袋』まで四作品を収めた文庫です。地図や観光ガイドとは役目が違います。場所へ行くためではなく、名前と姿を原画集の並びで見るための本。

全部を最初から覚えようとすると、かえって絵を見る手が止まります。気になる一体を見つけ、どの作品のどの巻にいるかを確かめる。今日はそこまでで十分です。

目次

知っている妖怪を一体だけ選び、目次から探す

たとえば『かまいたち』という名前だけを知っているなら、その絵を見つけるところから始めます。現在の作品で覚えた姿を正解として持ち込まず、線、持ち物、背景を一度そのまま見る。想像と違っても、まず違いを面白がれる読み方です。

KADOKAWAの目次は『画図百鬼夜行』を陰・陽・風、『今昔画図続百鬼』を雨・晦・明というように分けています。『妖怪の名前だけ』では探しにくいと感じたら、巻と掲載順も一緒に記録する。後で同じ絵へ戻る手がかりになります。

絵の細部をスマホで検索して補うことはできますが、検索画像だけでは別の版や後年の翻案と混ざる場合があります。まず本の見開きで題名と図像を確かめ、気になった一点について外部資料を探す順番がよいでしょう。

一体を見つけたら『今日はここまで』でもいい。妖怪画は暗記表ではありません。一つの絵を見返す余地を残す方が、次のページも開きたくなります。

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『四作品入り』の意味を知ると、探す範囲が絞れる

『全画集』という題名だけを見ると、江戸の妖怪資料がすべて一冊に入っているように感じるかもしれません。出版社が明記しているのは、鳥山石燕の四作品を一冊に収めたことです。ほかの絵師の作品や、各地の伝承記録まで収録する本だと考えない方が選びやすくなります。

KADOKAWAの書誌では文庫判272ページ、ISBNは9784044051013。ページ数は携帯しやすさを考える材料になりますが、大判の画集のように細部を大きく見られるかは別です。細い線を拡大して研究したい人なら、判型も購入前に確認してください。

『百器徒然袋』まで読みたい人にとって、四作品が同じ本にあることは便利です。一方、特定の図だけを大きく見たい人なら、図書館などで判型の違う本と見比べてから決める道もあります。買うかどうかを、作品の範囲と見たい細部の大きさで分けるのです。

書名が似た本はあります。楽天の掲載を開くときも、まずISBNを照合し、紙の文庫か電子版かを確認してください。

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絵の姿と土地の伝承は、別々に調べる

絵のなかに道具や山が描かれていると、『この地域の話だろう』と結びたくなる瞬間があります。でも、一枚の絵だけで発祥地や実際の出来事は決まりません。画集から読み取れるのは、少なくともこの版にどういう図像と題名が載るか、という点までです。

歩いて訪ねたい土地ができたら、自治体や博物館の資料でその土地の伝承を改めて確認します。画集のページと地域資料を混ぜて一つの根拠にしない。『絵で見た姿』と『現地で伝わる話』を二列に分けるだけで、違いが見えてきます。

この本の巻末にはKADOKAWAの目次上、解説と索引があります。絵を見た後にその妖怪の位置へ戻る時の手がかりとして使い、解説の有無や深さを店頭や試し読みで確認するのが確実です。『全画集』という言葉だけで、各妖怪に詳細な伝承解説が付くと期待しない方がよいでしょう。

名前を一体、絵を一枚、出どころを一つ。そこから旅へつなぐかどうかは、読んだ後に決めればいい。妖怪を追う楽しみは、急いで全部を結びつけなくても続きます。

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この記事を書いた人

各地の伝承や史跡を資料と現地案内から調べ、地域文化として紹介する編集部です。

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